逃亡者、確保2006年08月04日 18時53分

7月28日アイガモ達を捕獲、収容所へ送る。
餌付けしてすっかり従順になっていたアイガモ達は罠とも知らず、餌に導かれるまま、捕獲部屋に収まった。
スムーズに収容作業は終了すると思ったところに心の油断があった。
芋を洗うような混乱の中、一羽のアイガモが仲間の肩に飛び乗り高く跳躍。梁に取り付いて、捕獲作業のため開け放っていた天井から外へ飛び降りた!
さらに油断があった。
群があまりにも従順だったため、包囲の網を解放したままだった。
なんの手だても打てないまま、一羽のアイガモは広大な田んぼの茂みの中へと消えていった。
不覚であった。慢心が招いた当然の結果である。深い悔いが残った。

それから逃亡したカモとの静かな戦いが始まった。
早朝、捕獲部屋に撒いた餌を食べた形跡はある。しかしいっこうに姿を見せない。田んぼの周囲を見回っても、深く茂った8月の稲はカモの姿を完璧に隠してしまっている。気配さえ感じられない。
数日後、満を持して突入作戦をとる。
ぬかるむ田んぼの中を歩き回って探すも、まったくの空振り、徒労に終わる。
ここは我慢比べに徹するか、あるいは囲いをすべてといてしまうか。群れる習性があるだけに、仲間の声につられて、収容所に現れる可能性が無いとも言えない。
悩み続けるも、とりあえず餌だけは撒いておく。
そして今日の夕刻。
現れた!ついにその時が来た。
夕日に照らされ、捕獲小屋の前にすっくと立つ影。なんと挑戦的な姿。
ここは落ち着かねばならぬ。
これが最後のチャンスかもしれぬ。
そうっと捕獲小屋の前に餌を撒く。
やつが餌に気を取られている隙に、背後に回り込み、囲いの網を閉鎖する。
完璧だ。
ついに自ら囲いの中に突入。
アイガモを追い回すこと数分。ついに、ついに泥にまみれたこの両手はそのアイガモをしっかりと押さえ込んだ。
やった!ついにやった。あの夏の深い夕焼けのもと、ついに私は逃亡者を確保したのである。戦うこと8日。長い道のりだった。
アイガモは収容所に送られ、仲間達と平穏な日々を送ることになる。
そして私は田んぼのネットの収容作業にはいる。
めでたい。今夜は祝杯をあげることとしよう。

言いたくないけど・・・暑いぃぃぃ2006年08月07日 19時02分

暑いなあ。言うとよけい暑くなるけど、言わずにいられない。暑い。
おかげで仕事がさっぱりはかどらない。
朝は涼しいけれど、10m先も見えないほどの濃霧。朝露ぐっしょり。
午前中ちょっと仕事してえ、後はもう暑くて仕事にならない。
3時頃、ちょっと涼しい風が吹いてきたなと思って田んぼに出たら、とてもとても太刀打ちできない。暑くて頭がくらくらする。
アイガモのネットの撤去をしているけれども、いつ終わるやら。
畑の草取りなんかとても向かう気にならない。もー、なるようになれ。

あきたこまちはだいぶ穂が出てきました。
ササニシキとさわのはなも走り穂がちょこっと出始めています。
それにしても、あの日が差さなかった7月から、8月になって一気にお日様が照りだし、よーく田んぼを見てみたら、葉っぱにイモチ病のあることあること。
この天気でだいぶ収まっているけれども、涼しくなってくる今月末から9月頃にまた、今度は穂にイモチ病が付くだろうなあ。
あの天気だったんだから、しょうがないと言えばしょうがないけれども、はたしてどれくらいの被害があるだろうか。見守っているしか手だてがない。

ダメになりそうだ。2006年08月08日 21時19分

書きたくないけど今日も書く・・・暑い!
台風が来る前にって、大急ぎで田んぼのアイガモネットを撤去しました。
午前中は10時前にギブアップ。午後は4時頃から出動。なんとかやり終えました。
次はあれをやらなくちゃ。いや、やりたいという気持ちはあるんだけれど、なかなか、暑くてゴロゴロしていたいという気持ちもあって、どちらかというと後者の方が勝ってたりして。

じつは弟がクーラーのある部屋に引っ越したので、前のアパートで使っていたウィンドエアコンが不要になり、私の書斎に回ってきた。いやんなるほど快適。ここから出たくない。仕事なんて。ああ、人間としてダメになりそうだ。

コナギの威力!2006年08月10日 20時06分

有機の田んぼはコナギがすごいことになっています。
コナギ=雑草です。6月の後半、そろそろ田んぼに機械を入れるのは止めようかと思っている頃に、一斉に繁殖してきます。
でもアイガモを入れた田んぼではカモが全部食べてくれるので一本もありません。
と、7月末にアイガモを引き上げた田んぼ、最近一斉にコナギが芽を吹き出した!
これにはビックリ。
はたして収穫に影響はあるんだろうか?
それにしてもしたたかな生命力。怖ろしや。

秋が来るのか?2006年08月13日 19時14分

8月に入ってやっと梅雨が明けたと思ったら・・・・確かに真夏日が続いて暑いんだけれども、なんだか空の具合や雲の具合が秋っぽい感じ。今日も暑かったけれど、風が心なしか冷たい。
このまま秋になっちゃうんだろうか?
なんか、そうなると収穫の方もあまり多くは期待できないのかな。

今日は減農薬田に竹酢液、有機田にヒノキチオールを散布。
とくにササニシキはイモチ病が多く付いている。涼しくなるとまた増え出すのだろうか。心配だ。

昨日は何年かぶりで中学校の同級会。
みんなもういい年だ。一人二人誰だかわからない人がいたりして。
ちょっと大人の会話なんかしたりして。
それでも二次会ともなると、みんなあのときのまんまの付き合いに戻ってしまって、あの頃のあだ名で呼び合って。
ここまできたか。時間の流れを感じるなあ。

鬼か仏か2006年08月16日 18時19分

先月末に月山に登ってきたということで、月山の麓の村を舞台にした熊谷達也の「迎え火の山」を読みました。
物語の背景として描かれている田舎の生活がとてもリアルです。
現代の地方が抱える問題や、それに向き合って生きる土地の人たちの心情、自然の中で生き、死んでいく日常。血の通った田舎の生活が、都会視点ではなく現地の視点でしっかりリアルに描かれています。


旧盆の十三夜に月山の山頂から麓まで迎え火を連ねる採燈祭。
篝火をたよりに先祖の霊が天上から下りてくる。それに紛れて人々に災厄をもたらす鬼が下界に下りてくるのを防ぐといった、土着の信仰をモチーフとしたオカルトホラー小説ですが、このエピソードはなんか地方の現状に置き換えられ無くないか?
昔から延々と続いている古くさい田舎の生活、慣習とか。これを祖先の霊とするならば、「鬼」は、都会の価値観じゃなかろうか。自然を破壊するとか、共存するとかいったレベルの話ではなく、都市の論理で定義された田舎。たとえば都会視点でテーマパーク化された虚構の、張りぼての田舎とか。
テーマパークってのはその裏側を絶対見せちゃいけないんだそうだ。
たとえば大きなかわいいヌイグルミの中に人間が入っているなんていっちゃあ、絶対ダメなんだそうだ。
田舎の生活をテーマパーク化してしまったら、そこで現実に生活している人はいったいいつどこでヌイグルミを脱げばいいんだ?

地方の活性化とか、村おこしとかいって、都会の視点で田舎を定義してしまうことははたしていいことなのか?
スローライフだなんだいってるけど、結局は都市の視点。そこにあるのは田舎の生活、自然と共にある生活じゃなくて、「自然に囲まれた都会的な生活」にしか見えない。
それがいいのか悪いのかはわからないが、そこに魂を食い尽くす鬼は潜んでいやしないか?

風が秋を匂わせる2006年08月17日 19時39分

相変わらず日差しは強くて気温も高いけれど、なんか風が冷たくなってきた。
空もずいぶん高くて、秋っぽい雲がたくさん漂っている。
ちょっとだけ頭をもたげてきた稲穂が一面風になびく様がとても心地よい。
夏はもう終わったか?
コシヒカリはまだ穂が出ていない。

初めてのミンミンゼミ2006年08月20日 19時41分

今日も暑い。
アブラゼミの怖ろしいほどの鳴きよう。
それにしても・・・。
うちの地域にはアブラゼミやヒグラシやらはいっぱい居たけれども、ミンミンゼミは一匹もいなかった。
ミンミンゼミの鳴き声なんて、テレビの中か、よそに行ったときしか聞いたことがなかった。
それが今日。生まれて初めて、家の前でミンミンゼミが鳴くのを聞いた!
衝撃的!!
どっからやってきたのか?
飛んできたのか?なぜ今になって?
それとも虫籠から逃げ出したのか?
不思議だあ。

稲を見て思う2006年08月21日 19時59分

今日はちょっとした研修会があって、庄内まで有機の田んぼを見に行きました。
最初に見た田んぼはまったくの無肥料で栽培している田んぼ。除草はうちでも使っている除草機「あめんぼ号」の改良型。なかなか優れもので、ノビエはもちろん、コナギも少ししか生えていませんでした。
新しい機械がほしくなってしまった。
稲の姿は茎数が少なめで、穂もそれほど大きくないけれど、一本一本の茎が太くてきれいに開いている。話を聞いてみると、別に特殊な栽培法を取っているわけでもない。品種によって草の形が違うとはいえ、無肥料でこんなになるとは、やっぱり最後は土の力かな。

次に見た田んぼはノビエもコナギもそこそこ生えていて、それでも稲の生育を邪魔するほどではないかなといった程度。一目で除草剤を使ってないのがわかる感じ。
一株の植え込み本数が多めなのか、穂を着けずに枯れていった茎が目立った。稲の姿も慣行栽培っぽい形。

一昔前だと、こういった田んぼを見ると、自分の技術の未熟さを痛烈に思い知らされたのが、最近は冷静に見られるようになった。
それだけ技術が上がったのか、それとも単に慣れてしまったのかな?

乾燥機を組み立てる2006年08月24日 20時23分

いや~、日中は相変わらず暑いものの、吹く風の涼しさよ。夕方にはすっかり秋の風情でした。
新庄の秋は早い。

新しい乾燥機がやってきました。
最近主流の遠赤外線型です。
今までの温風を籾に吹き付けて水分を飛ばすタイプとは違って、遠赤外線を照射して籾を乾燥させるタイプなので、天日干しと同じような仕上がりになるそうです。
食べるのが楽しみ。

さらに、今回購入したのは「汎用」乾燥機。
米だけでなく、麦、ソバ、大豆の乾燥も出来る型です。
毎年大豆の乾燥では苦労してきましたが、今年は心配なしです。