春の味が次から次2007年05月04日 20時18分

5月になりました。
5月、雪国新庄も緑が伸びはじめる季節です。
家の裏に植えているコゴミが食べ時です。太い株の中から次々と伸びてきます。シャキッとした歯ごたえ、ほのかな春の青臭さ、これが食卓に上ると5月です。
あと、親父が山から採ってきたアケビの新芽。苦いんです。この苦みが春です。
今朝は親戚が持ってきてくれたタラの芽を天ぷらでいただきました。野生のやつ。スーパーで売っているような促成栽培ものの3倍はあるでかいやつ。食いでがありました。
夕方仕事を終えて帰ってくると、近所の知り合いがコシアブラを置いってくれてました。ウレシー。さっそく天ぷらに。
雪国の5月は楽しみが尽きません。

昨日の新聞で農村の住民のほとんどは将来に不安を抱えている。なんてアンケートの記事があったけれども、どうも大学の先生とかって、農村に住んでいる人は毎日絶望の中に生きていて、生活を楽しむ術を知らないと思いこんでるような節がある。
とんでもないです。
田舎の人は田舎の良さを知らない。「よそ者」が農村の宝を発見してくれる。みたいなことが言われるけれども、あえて言わないだけで、十分知っているし、存分に楽しんでいます。社会的・経済的な不安とそれとはまったく別。
農村に都会の価値観を持ち込むことが田舎を活性化させることだみたいな話が多いけれども、出来上がった『不便な都会』にはたして意味があるか?

悪戦苦闘と豊かな食卓2007年05月08日 20時12分

どーも今年は田んぼが乾かない。トラクターの轍をいっぱい作っての肥料散布に続いての田起こし作業。
重たい泥がトラクターに絡みついて、ネッタネタのモッコモコです。作業がはかどらないったら。
その上、一日中トラクターの轟音と振動の中にいるもんだから、平衡感覚がちょっとおかしい。疲れるなあ。

山菜のアイコとシドケをいただきました。ホントもらってばっかり。
アイコはほんのりと香り、シドケはクセが強め。美味い!
おまけに家の畑のアスパラも伸びてきました。
どんどん豊になる我が食卓よ。

やっっっと、「お仕事日記」更新。

代掻き&お金の循環2007年05月11日 21時08分

田起こしを終え、代かき作業中です。
今年は雪が少なかったので地下水の量は大丈夫かなと心配だったのですが、今のところ切れずに出続けています。おかげで仕事が次々出来て休んでいる暇がありません。水が多いのもちょっと困ります。贅沢な悩みですが。

さて、山菜。
今度はゼンマイをいただきました。山ほど。売ったらいったい幾らになるんだってほど。茹でて、日干しにして、保管しておきます。
あと、家の裏に出ていたウド。味噌汁にしていただきました。強い香りがたまりません。

さっき山形ローカルの番組で、林業の話題をやっていました。
「やまがた緑環境税」という、森林保護に特化した県の税金の話題でしたが、林業の現場サイドから見ると問題があるようです。
この税金は管理放棄され荒れた森林の保全に対して使われ、収益も上がらず身銭を切るようにして管理している林業家には支払われないので、真面目に取り組んでいる人のやる気を削いでしまうのではないかと現場の人が疑問を投げかけていました。
さらに先に導入している岩手県では管理委託に同意しない地主が多く、税金の約三分の一が余ってしまったそうで、これは契約後20年間伐採や転用が出来ず、資産としての価値が薄れてしまうといったことが原因のようです。

結局のところ林業が職業として成り立たなくなっていることが問題の根っこのほうにあるのではないでしょうか。
地方の木材は都市に販売され、次の森を育てる資金になり、循環が成り立っていました。
今は消費者が国産木材より安い輸入木材のほうを選び、循環がとぎれてしまいました。それが森林の荒廃に繋がっている。
その森林保護のため、税金を投入するといいます。しかもその消費地ではなく、切り捨てられたほうが自腹で負担しなければならない。なんか変じゃないか?
農業もこんなふうになりつつあるんだなあ。

驚異だ!2007年05月17日 18時20分

代かき作業、まだまだあります。
近所の田んぼではぼちぼち田植えが始まりました。
うちでは20日からの予定。

5月3日に新庄市消防団の大演習があって、それから2週間ぶりに消防ポンプの収納庫を開けてみました。
そしたら、大演習の日にみんなの朝食として配ったコンビニのおにぎりが一個残っていて、おそるおそる手に取ると・・・カリカリだった海苔がしんなりしていて、表面のご飯が固くはなっているものの、腐るどころかカビ一つ生えていない。匂いも海苔の香りが移ったもので、すえた感じは一切無い。
この2週間けっこう暖かかったぞ。
いったい何で出来ているんだ?2週間たっても腐らないとは!
なるほどこれなら絶対食中毒にはなりませんね。
話には聞いていて知識としては知っていたけれど、実物を見てしまったらやっぱりちょっと怖い。
食品の安全の定義って人それぞれあると思います。
保存料無添加の手作りおにぎりが2週間無事なおにぎりと一緒に置いてあったとします。
無事なおにぎりと同じ感覚で手作りおにぎりを買えば、それは食中毒の可能性をはらんだ危険な食品ってことになってしまいます。
無農薬・無添加の食品を選ぶとそれで安心してしまいがちですが、安全性に対する配慮がいっそう必要になるのかもしれません。

それにしても・・・。
酒のつまみによくコンビニの一品料理を買うんだよな。
ちょいと気の利いた肴があるんで。
なんか怖くなってきたなあ。

田植え始まりました。2007年05月20日 21時18分

予定通り今日から田植えを始めました。
去年田植機がはまってしまった田んぼも無事終了。
それにしても寒かった。
こぬか雨ってんですか。細かい雨が朝から降っていて、冷たい風も吹いていて。
田植えは日の照った暖かい日にやりなさいと、普及所の指導だけれど、まあ、うちの苗は風雨にさらしたスパルタ苗なので少々の悪天候でも平気かな。

農家はどうなる?農協は?2007年05月22日 20時13分

 『農の戦犯 誰が農業をダメにしたのか』
 シーザー前園/文芸社

なぜ日本の農業は衰退したのか。東北・北信越の農村での取材の中から見えてきた日本の農業の問題点。
帯の文句「後継者?いるわけないよ 誰も田んぼをやめないんだから」。
なるほど。70歳くらいで有機農業に取り組んでいる方々を見て、オレもあんなふうになりたいな。とか思ったけれど、考えてみれば彼らの息子たちは会社勤めで、すでに責任のある役職に就いている。もし彼らが農業を継ぐとしたら、退職後の趣味の農業みたいな感じでしかないだろうな。結局職業としての農業は継承されない。
高齢化社会とはいえ、年寄りが頑張りすぎるのも問題ありだな。

指摘されている問題点は先日読んだ『日本の食と農 危機の本質』の中でも指摘されている。
学者が書いた『日本の食と農』にくらべて、こちらは現地での取材による生々しい現場の姿がリアルに語られるので、わかりやすい。
それにしても・・・筆者は幼少期に農村で虐待でも受けたのかと勘ぐりたくなるほど徹底的に否定的な語り口にはちょっと引いた。

都市住民向けの「農村交流会」では絶対聞けない農村の実態。
農村に移住を考えている人にもお勧め。
ただし、読んでも引かないでね。

一段落2007年05月29日 19時53分

無事田植えが終わって一段落です。
機械で植え残したところの補植や、育苗資材の片付けなどダラダラとやっています。
アイガモのヒナも待機中。
それにしても、意外と疲れがたまっていたみたいで、めまいが止まらない。
頭がぽーっとして、なんだか思考がうまく働かない。
なんて言ってられない。畑のほうにも取りかからなければ。