踊る「食の安全」 ― 2006年07月05日 19時41分
『踊る「食の安全」 農薬から見える日本の食卓』
松永和紀/家の光協会
今年から農薬の残留基準に「ポジティブリスト制」ってのが始まった。
流通業界は中国野菜などの輸入に大きな支障が出たりして、かなり大変らしい。
でも、こちら生産の現場としては、農協からなにやら簡単な説明があってちょっとしたビラが回ってきたりする程度で、いまいちピンと来ない。
たまたま本屋でこの本を見つけて、帯にちょっとそれらしい事も書いていたので読んでみた。
まあ、内容としては、農薬ってのはこんなに安全です。日本の農業のために、どうぞ消費者の皆さん、農薬をヨロシク。ってなかんじの、消費者向け農薬啓蒙書。
やはり大規模省コスト農業でなければ日本の農業はダメ、ってのが前提になっている。
確かに農薬に対して過敏に反応しすぎる向きもあるかもしれないし、農薬に対して正しい知識を持ってもらうのも大事だ。それにしてもこの内容はどうだろうか。
まず筆者が京都大学大学院の農業分野の修士課程を修了して新聞記者になった人。その人が「農薬の事なんにも知りませんでした」「この取材をするまで農薬は悪いものだと思っていました」ってかんじで話を進めているのが、最初から最後まで腑に落ちない。
安全性に対する説明なんかも、別の立場の人がその資料を見たら、まったく逆の結論が出せるような主観的なもの。
農業の現場を取材したみたいな事も書いてあるけど、農家から言わせると、ほんとに農業の現場を知っているの?ってかんじ。
最後の章の実例も農業の現場を知らない筆者の主観で染まっている。
日本の農業というものを考えた場合、農薬は必要だし。毛嫌いせずに正しい知識を知ってもらうのも大事だけれど、この内容じゃあ肝心の毛嫌いしている向きにまったく理解されないんじゃ無かろうか。
松永和紀/家の光協会
今年から農薬の残留基準に「ポジティブリスト制」ってのが始まった。
流通業界は中国野菜などの輸入に大きな支障が出たりして、かなり大変らしい。
でも、こちら生産の現場としては、農協からなにやら簡単な説明があってちょっとしたビラが回ってきたりする程度で、いまいちピンと来ない。
たまたま本屋でこの本を見つけて、帯にちょっとそれらしい事も書いていたので読んでみた。
まあ、内容としては、農薬ってのはこんなに安全です。日本の農業のために、どうぞ消費者の皆さん、農薬をヨロシク。ってなかんじの、消費者向け農薬啓蒙書。
やはり大規模省コスト農業でなければ日本の農業はダメ、ってのが前提になっている。
確かに農薬に対して過敏に反応しすぎる向きもあるかもしれないし、農薬に対して正しい知識を持ってもらうのも大事だ。それにしてもこの内容はどうだろうか。
まず筆者が京都大学大学院の農業分野の修士課程を修了して新聞記者になった人。その人が「農薬の事なんにも知りませんでした」「この取材をするまで農薬は悪いものだと思っていました」ってかんじで話を進めているのが、最初から最後まで腑に落ちない。
安全性に対する説明なんかも、別の立場の人がその資料を見たら、まったく逆の結論が出せるような主観的なもの。
農業の現場を取材したみたいな事も書いてあるけど、農家から言わせると、ほんとに農業の現場を知っているの?ってかんじ。
最後の章の実例も農業の現場を知らない筆者の主観で染まっている。
日本の農業というものを考えた場合、農薬は必要だし。毛嫌いせずに正しい知識を知ってもらうのも大事だけれど、この内容じゃあ肝心の毛嫌いしている向きにまったく理解されないんじゃ無かろうか。
コメント
_ 匿名 ― 2007年07月24日 10時14分
日本の食肉も中国並みたいです。参院農水委員会で家畜用の輸入飼料が、カビ毒に汚染されているのではという質問があった様です。参院カビ毒飼料を検索すると記事が有り、他のカビ毒関連記事も検索してみましたが、強い発ガン性や残留性が有り危険な毒物の様です。このカビ毒記事をまとめるとカビ毒汚染は事実と思われ、既に家畜死亡被害が有る様です。中国食品などの不正多発のニュースが有りますが、日本でもBSE問題よりも深刻な消費者問題が隠されているのではないでしょうか。また農水省の天下り連中の方々が関与した不正問題なのでしょうか。
_ よーすけどん ― 2007年07月24日 21時51分
食の安全の問題は難しいですよね。
誰がどう見ても危険、というものは問題外ですが、見方によっては安全、見方を変えると危険、といった微妙な線にある食品が結構あって、どう見るかは結局消費者一人一人の判断になってくるんでしょうね。
メーカーやマスコミ任せではなく、自分の感覚で判断できるようにならなければ。
誰がどう見ても危険、というものは問題外ですが、見方によっては安全、見方を変えると危険、といった微妙な線にある食品が結構あって、どう見るかは結局消費者一人一人の判断になってくるんでしょうね。
メーカーやマスコミ任せではなく、自分の感覚で判断できるようにならなければ。
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_ 天敵Wiki (PukiWiki/TrackBack 0.3) - 2006年07月09日 15時11分
Prev Next 書評 踊る「食の安全」〜農薬から見える日本の食卓 † 【書名】踊る「食の安全」〜農薬から見える日本の食卓 【著者】松永和紀 【刊行】2006年7月 【出版】家の光協会 【頁数】231p 【定価】1,470円 【ISBN】4-259-54693-7 【備考】 h...