都会に媚びない農業のあり方2007年08月16日 09時13分

 『自主独立農民という仕事』
 森まゆみ/バジリコ

「自主独立農民」という言葉に惹かれて読んでみた。
日本で初めてパスチャライズ牛乳、つまりは低温殺菌の牛乳を販売した佐藤忠吉さんと木次乳業のことについての本。
大消費地の意向や農政のあり方に左右されない、自主独立農業の方法を解説した本・・・ではなく、佐藤忠吉さんの自主独立農業という考え方とか生き方をまとめた本か。
地元である島根県出雲の歴史から、輩出した偉人達、たどった歴史など佐藤さんのバックボーンみたいな部分が半分以上。
パスチャライズ牛乳に始まり、有機農業、加工食品、地域内循環と発展していく木次乳業周辺の取り組みはアウトラインをなぞった程度。
自立した農家を目指す私としては大変興味深い反面、かなり物足りない。
「人に売るために作物を育てようと思うと、相手の欲望にあわすようになり、ごまかしが出てきます」
「人の為といってやっていることにロクなことはない」
「地域は活性化する必要はない、むしろ沈静化するべき」
など、佐藤さんの発する言葉がいちいち楽しく興味深く、とにかくもっと深く掘り下げた本が読んでみたい。

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