「食べ方」ではなかった。2008年01月21日 17時58分

ドキュメンタリー映画『いのちの食べかた』を観てきた。
「食べ方」をとらえたドキュメンタリーかと思ったら、そうではなく、延々食料の生産現場のみを記録した映画だったので、ちょっと肩すかし。邦題が紛らわしいな。原題は『私たちの日々の糧』。
穀物、野菜、家畜の大規模生産の現場を言葉も説明も音楽もなしに淡々と映し出している。
どうなんだろうね、これ。
見る人の立場によってゼンゼンとらえ方が違ってくるのかな。
農業の現場にいる者としては知りすぎている内容だから、観ていて眠くなってしまった。でもまったく農業の現場を知らない人には新鮮なのかな。

気になったのが、農場や屠畜場で働く従業員の人たちの描き方。
黙々と作業に従事する姿だけを、極力人間性を見せないように描いているし、大型機械での収穫作業など、まるで人間が介在していないように描いている。
農産・畜産物は人間が作るもので、経営者の考えや労働者の思い、感情などがそれらを作っている。そこは大規模農業だろうが、有機農業だろうが変わらない。それを見えないようにして、事象だけを描いたのでは本当のことはわからない。食料に関する問題の解決には繋がらない。
そんな映画ではないのかな?考えずに情報としてただ受けとめればいいのかな?
とにかくなんにも知らない人にはこんなのも悪くないのかな。あくまで一面と割り切って観れば。
でも自分が仕事している姿をこんなふうに描写されたらひどく悲しいな。

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